マンション投資をするにあたって、誰でもまずはマンションを購入することからスタートします。
その購入方法は2つに分けられるのですが、現金一括orローンのどちらで購入する方がお得なのでしょうか?
今コラムではマンション投資における現金一括での購入をお勧めしない理由と、ローンを組むことで生まれるメリットについて解説していきます。
「現金一括とローンの違い」
マンション投資において、現金一括とローン購入ではどのような違いが生じるのか?
私としては現金一括ではなくローンでの購入をお勧めしていますが、もちろん現金一括にもメリットはあります。
現金一括でのメリットは、「銀行の融資がいらず金利がかからない」、「値引き交渉に有利」などが挙げられ、確かにローンで金利を払い続けるよりも一括購入した方がお得に思えるかもしれません。
しかし一方で、「住宅ローン控除が受けられない」や「手持ちの資金が減ってしまう」ことがデメリットとなりますので、それらを加味した上で最終的な判断をする必要があります。
対してマンションをローンで購入した場合のメリットは、「レバレッジ効果がある」、「団信に加入できる」、「自己資金を減らすことなく資産が手に入る」などが主に挙げられ、現金一括にはないレバレッジを効かすことができる部分が一番の大きな違いになります。
投資を行なっていく上では、このレバレッジ効果をどれだけ上手く最大限に使いこなすかが重要になります。
投資というのは基本的にレバレッジを効かして資産を増やしていくものなのです。
「メリット・デメリット」
現金一括時の主なメリットとデメリットは先の説明通りです。
ここではローン購入時のメリット・デメリットについて詳しくみていきましょう。
【ローン購入時のメリット】
レバレッジ効果がある
レバレッジ効果とはテコの原理を使用したもので、少ない資金で大きな資産運用を行うことができます。
そして、レバレッジ効果はローン購入時の最大のメリットと言えます。
少ない自己資金でも他人資本で投資することができ、浮いたお金は別の投資に回すことができます。
レバレッジを活用できる投資には上手く活用し、逆にレバレッジを使用できない投資に自己資金を充てるようにすれば効率良く資産運用が可能になります。
団信に加入できる
ローンを組んでいる期間は団体信用生命保険(団信)が必ず付いています。
団信とは、借入を返済できない状態(死亡、癌、重度障害)となった際に保険金によって残債を返済できる保険を指します。
生命保険に入らなくても家族に資産を残すことができます。
【ローン購入時のデメリット】
空室リスクによる自己負担の増加
ローンを組むことで月々の支払いが発生します。
マンション投資では月々のローン返済を、所有している物件の入居者から得られる家賃収入から充当させることで自己資金を減らすことなくローン返済が可能です。
しかし、空室となってしまった際には家賃収入が入ってこず、自己資金からローン返済をしなければなりません。
金利が上昇する可能性がある
どんなモノでも金融機関からローンを組んで融資を受ける際には必ず金利というものが存在します。
35年という長い目で見た時に、途中で金利が上昇するリスクがあります。
金利が上昇すると総返済額が膨らんでしまうことになりますので、借り換えや繰上げ返済を考える必要があります。
住宅ローンが組みづらい
金融機関から融資を受けられる金額には上限があります。
個人の年収によって異なりますが、マンション投資でローンを組んでしまっている人は、後に住宅ローンが組みにくくなる可能性があります。
自分の借入できる金額を把握した上で計画的に投資するようにしましょう。
簡易的なローン返済上限の計算式
『年収 ✖️ 0.3 = 年間のローン返済上限額』 ※金融機関によって異なります
上記の計算式でみると、年収が400万円の人であれば年間のローン返済額は120万となり、月々10万円がローン返済の許容限度となります。
「現金一括の選択肢は現実的ではない」
そもそも現金一括でマンションを購入するには、それなりの資金力が必要になります。
一般的なサラリーマンの方が、毎年100万円の貯金を頑張ったとしても、2,000万円の物件を購入するのに20年かかってしまいます。
さらに、購入した後の自己資金の余裕を持たせること、インフレによる値段の高騰などにより、もう少し時間がかかると思っていた方がいいでしょう。
また、資金に余力の少ない人が現金一括で購入するとなると、比較的安い物件を選んでしまいがちです。
安い物件にはそれなりのリスクがあり、収益率も低く、結果としてキャッシュフローが悪くなり投資としては失敗に終わってしまう可能性が高くなります。
優良物件を安く購入するに越したことはありませんが、それを目標に資金を貯めておくのはあまり効率的な方法とは言えません。
このように現状、手元に十分な自己資金がない人には、現金一括での購入は向いていません。
資金に余裕のある人で優良物件を購入し、安定的な投資を行うのであれば現金一括での購入もお勧めしますが、大抵の方は難しい選択であり現実的ではありません。
「まとめ」
マンション投資を始めるにあたって「ローンは借金だ!」と、悪いイメージを抱く方もいますが、マンション投資においてのローン購入は「レバレッジ効果が高くなる」という大きなメリットがあります。
また、いざという時にローンを弁済してくれる団信への加入もできるため、生命保険代わりとしてローンを組む方も多くおられます。
マンション投資は、手軽に始められる投資の一つではありますが、最も安い価格帯のワンルームマンションでも1,000万円~2,000万円程度が必要となります。
この投資額を自己資金で全てをまかなうというのはあまり一般的ではなく、ほとんどの人が融資を受けることでマンション投資を行っています。
数千万円の融資と聞くと、初めてマンション投資をする人にとっては不安が大きい金額かもしれません。
しかし、資金に余力のない人が現金一括するのは住宅ローンの控除も受けられず、これといったメリットもなく、ローン返済の不安から逃れられる程度です。
自分の現状を見つめ直し、自分に合った無理のない投資を選択してくださいね。