「相場とかけ離れた物件価格になっていないか」
不動産を購入する際に、消費者は必ずその物件がお買い得なのか?妥当な金額なのか?と言うところは必ず気になってくるポイントだと思います。
担当の営業マンが、「立地も良く、築年数も浅く、物件自体のポテンシャルも高いですよ」などと、その物件がいかに良い物件だと紹介しても、相場の金額とかけ離れていては良い買い物とは言えません。
また、不動産の価格は売り出し価格と相場価格、成約価格といろいろな価格の種類があります。
例えば中古のマンションを所有している方が自分のマンションを売りたいと思って売却に出す際は、どうしても「できるだけ高く売りたい!」という気持ちが前提としてありますので、どうしても初めの売り出し価格は高くなってしまいます。
ほとんどのケースでは売り出し価格から金額を値下げして実際の成約金額になるという売却の流れになりますが、もし相場をわかっていない購入者があまり調べずに買い付けをしてしまうと割高の売り出し価格で購入してしまうことになります。
また、売主側も「安く買われるのではないか?」という不安もあると思いますので、売主側でもしっかり相場というものは見極めて不動産会社に相談するべきです。
買い手側は今の時代、インターネットでなんでも調べられますので、例えばホームズのプライスマップなどを見てみると、買いたい物件の周辺マンションの相場価格や成約価格を調べることができます。
さらに築年数や広さもしっかり記載されていますので、もし自分が買ったマンションを売却したらこれくらいの金額にはなりそうだなと目安をつけることができますのでそういったサイトを見ることもお勧めします。
「購入時に必要な支出がもれなく組み込まれているか」
不動産を購入する際には、物件価格のほかに必ず諸費用というものがかかってきます。
諸費用分を上乗せして住宅ローンに組み込むことはできるのか?など、物件や金融機関のルールの兼ね合いによって手出しのお金がいくら必要なのかは変わってきます。
後から色々と手出しで把握していなかったお金が発生するのは気持ちのいいことではありませんので、購入時にしっかりと担当者に明瞭な説明をしてもらいましょう。
物件価格以外にかかる主な諸費用として、
「固定資産税」、「都市計画税」、「火災・地震保険料」、「不動産取得税」、「登記費用」、「売買契約書印紙代」
「ローン事務手数料」、「管理費」、「修繕費」、「手付金(本体価格に充当するパターンが多い)」、「司法書士代」など…
上記のようなものがかかってきます。
これらの諸費用の合計は、およそ物件価格の5〜8%くらいが目安となっていますので、予めしっかり把握しておきましょう。
そして重要事項説明や担当者からの説明で、漏れなくしっかりと伝えてもらいましょう。
「立地が良く、且つ需要があるマンションかどうか」
不動産の購入において最も大切と言われるのが立地になります。
しかし、不動産投資では利回りが大切だという意見もたくさんあるでしょう。
もちろん利回りも不動産投資を成功させるために大切な要素の一つですが、表面上の利回りの数字だけに惑わされてはいけません。
例えば、空室を想定していない利回りだと、田舎の中古一棟アパートなどで満室想定になると10%を越えたりしますので、かなり良い利回りだと思えるかもしれません。
しかし、それはあくまで満室であった時を想定していることで、仮にその物件を売りたいとなった時に、資産価値がどれくらい残るのかなども含めて慎重に考えなくてはなりません。
都心のワンルームマンションですと表面利回りは低いですが、賃貸需要が高いエリアに建っている分、ワンルームの入居希望者がたくさんいますので空室のリスクも抑えることができます。
入居率が高いとその分実質利回りも高くなりますので安定した不動産経営を行うことができます。
また1棟の中古アパートを1億円でもし買うのなら、2000万円の都心のワンルームマンションを5部屋所有する方をお勧めします。
それも東京都内だけではなく大阪の都心エリアなど、分散させて投資・運用していけば仮にどこかが空室になったとしても他の部屋が補ってくれるのでリスク分散ができます。
不動産を選ぶ際には資産価値がしっかり取れるエリアで、賃貸需要もあるマンションを選びましょう。
「中古物件は修繕リスクを加味しよう」
どの物件であっても言えることですが、中古と新築の選択肢があり、それぞれにメリットとデメリットが存在します。
新築物件ですと修繕などのリスクを考えたりするのは数年の間は必要ないでしょう。
それよりも本当に賃貸がつくのか?ディベロッパーが多額の利益を計上していないか?など、本当に価値のある物件なのかなど心配する点は多いにあると思います。
しかし、金融機関が融資を出してくれる以上、金融機関は物件を担保にお金を貸すことになるので、いわばお墨付きの金額の価値は担保された物件ということになります。
また、減価償却などの観点から見ると新築の方がメリットは大きいと言えます。
中古物件は新築に比べると割安感がありますし、既に入居者がついていることも多いのでその点はメリットとなります。
しかし、デメリットとして築年数の問題などから設備修繕が早々に必要となってくる場合が多いです。
エアコン、洗面台、給湯器、室外機などは15年の減価償却となっていますので15年くらいを目安に、もしくはもっと早い時期に新しいものに交換する必要があります。
代替設備修繕費用の目安としては35年間保有したと仮定すると、全部で100万円くらいかかることを念頭に一つの目安になるかと思います。
「まとめ」
不動産購入時に気をつけるポイントとしては、まず物件価格の部分で相場とかけ離れすぎていないか?というところ。
それに加えて、物件購入した後にどれくらいお金がかかるのかなど諸費用の部分や税金面などしっかり伝えてもらった上で理解・把握しておくことが大切です。
また立地に関しても、場所選びが非常に大切になってきますので駅から遠すぎたり、人口流入が少ないエリア、周辺環境の治安が悪い、不便なエリアなどは避けて単身者が住みたいなと思える場所に投資することが大切です。
中古物件を購入する際には今後いつ・いくら修繕費が必要になるのかを予測立てた上で、それが本当に割安なのか、同じエリアで新築を買った方がいいのではないのか?など慎重に考えていく必要があります。
今コラムでは触れませんでしたが、投資不動産を所有すると確定申告が必須になりますので、経費計上できる項目には何があるのかも併せて知っておいた方がいいでしょう。
あまり考えすぎてしまうと物件は山のようにあるのでキリがありませんが、自分の中である程度の合格ラインのようなものを設けておき、それをクリアすれば大きな失敗にはならないだろうという気持ちで取り組んでいただくのが一番いいかなと思います。