FIREという生活に憧れている人は多いのではないでしょうか?
これはアメリカ発祥のライフスタイルの1つで、日本では「経済的自立」と「早期リタイア」を意味する言葉です。
30代、40代の早い段階から定年を待たずに会社を退職し、より自由な生活を送ることを目的としています。
今回はそんなFIREを達成するために必要な資金はいくらなのか?FIREを達成するまでのステップも併せてご紹介します。
「FIREには資産運用が必須!?」
FIREで経済的に自立し生活を送るためには資産運用することが前提となっており、”運用益だけで生活ができる”ことが必須になります。
生活費の水準は人によって異なり、毎月10万円で生活できる人もいれば、毎月30万円ないと生活できないという人もいるでしょう。
しかし、FIREを実現させるためには生活水準が低い人の方が、多額の貯蓄を築かなくても早期に実現できると考えられているため、「早期にFIREしたい!」という方はできるだけ生活水準を低く設定することも一つです。
また、似たような言葉にアーリーリタイアというものがありますが、これは運用益で生活費をまかなうのではなく、今までの貯蓄や退職金・年金などによってできるだけ節約しながら生活を送るライフスタイルを指します。
早期にリタイアするという目的はFIREと同じですが、会社を退職した後での生活費の捻出方法が異なります。
「FIRE実現に必要な資金は年利4%ルールで算出」
FIREを実現させるためには、まず自身の生活水準をどのくらいに設定するのかを決めなければなりません。
先でも説明したように生活水準は人によって異なります。生活水準を低く設定することで早期にFIREすることも可能となりますが、毎月のお金が足らず不自由な生活を送ることになってしまっては元も子もありません。
毎月いくらの生活費があれば何不自由なく暮らすことができるのかを明確にしてみましょう。
ここでは仮に毎月20万円の生活費が必要だと仮定します。そうすると年間で必要な生活費は240万円です。
FIREにおける「4%ルール」を適応させるためには、まず年間に必要な生活資金の25倍の資産を事前に用意する必要があるため、この場合だと240万円×25倍=6,000万円の資産が必要だとわかります。
この6000万円を年利4%で運用して年間240万円の収益を得ることができれば、年間の支出額と同額になり手元の資産を減らすことなく、運用益だけの生活費で何不自由なく暮らすことができます。
しかし、FIREする以前にそもそも6000万円を準備するのが大変だと思いませんか?
そうした方にはセミリタイアという方法もおすすめです。
セミリタイアとは生活費の全てを運用益だけでまかなうのではなく、「運用益+副業」などの勤労収入を組み合わせて生活するスタイルのことです。
退職後にも週2〜3日は自分の好きな仕事をして、ある程度の収入を得ることができれば、運用益による必要な生活費を引き下げることができます。
例えば、副業で年間に稼げるお金が80万円だと仮定すると、運用益で得るべき生活費は240万円ではなく、80万円を差し引いた160万円ということになります。
これを先の計算式にあてはめると、160万円×25倍=4,000万円がセミリタイアを実現させるために必要となる資産です。
どうですか?6,000万円の時よりも少し現実味がでてきたのではないでしょうか?
もし副業で半分の120万円を稼ぐのであれば、最初に必要となる資産は3,000万円となり、さらに現実味が増します。
このようにFIREを実現させるためには経済的な自立+運用益だけで生活費をまかなう必要があるため、その運用益を得るための資産を事前に貯蓄する必要があります。
セミリタイアの場合は、その事前に必要となる資産を引き下げることができるため、FIREの実現が難しいと感じた方は、「運用益+副業」を併用するセミリタイアも視野に入れてみてもいいかもしれません。
「FIRE達成までのステップ」
① 自身の毎月にかかる生活費を把握する
② 事前に必要となる資産額を計算する
③ 目標の資産額を達成するために資産形成する
FIREを達成させる手順は至ってシンプルです。目標となる資産額を決定し、それを貯蓄するために資産形成するだけです。
手順は至ってシンプルですが、目標となる資産額を貯蓄するのに長い年月が必要である点には注意が必要です。かと言って40年、50年とかかってしまってはFIREを実現させる意味がないようにも思えてしまいます。
また、会社を退職した後には年利4%の運用益を得続けなければなりませんので、目標となる資産額を貯蓄できたとしてもそれで終わりではありません。
年利4%を確実に達成しなければならないというわけではありませんが、運用益で生活費をまかなうことができなければ、結果として貯蓄を切り崩したり、節約をして生活することを余儀なくされます。
あくまでもFIREというのは退職後に経済的自立をし、運用益だけで生活費をまかなうことを指しており、運用益だけで生活費をまかなうのが難しいと感じられる方は、まずセミリタイアから目指すのもいいでしょう。
何事の挑戦にも下積みにかける時間というものは必要になります。ゆっくり焦らず自分のペースで進めていくことが大切です。
無理な挑戦はかえって自分の首を絞めることにも繋がるため注意しましょう⚠️
「まとめ」
ほとんどの人は、FIREやセミリタイヤという生活に憧れを抱きつつも会社員として定年を迎えます。
その理由は「そもそも事前に必要となる資産を貯蓄できない」、「年利4%の運用益を出せない」ことが主な理由です。
FIREを本当に実現したいと思うのであれば、しっかりとした目標を定めてコツコツと資産や知識を積み上げていくことがとても大切になります。
安易な考えで「早く会社を辞めて自由になりたい!」と言っている人がFIREやセミリタイヤを実現することはできません。夢を実現している人達には、必ずどこかのタイミングで苦労や努力があるものです。
FIREは目標を定めて努力さえすれば誰しもが叶えられるものだと私は思っています。
FIREを実現できていない原因には必ずと言っていいほど努力が足りていません。
自分に今できること、今すべきことを常に考えてください。そうすれば自ずとFIRE達成への道筋が見えてくるはずです。
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