現在、賃貸市場では空室問題や家賃滞納問題が大きく取り上げられることがあります。
特に家賃滞納問題に関してはオーナーからしてみれば深刻な問題となっており、数日振込が遅れたとしても「まぁ払ってくれるだろう」というような楽観的な考えをしていると、後々重大な問題に発展してしまうことも少なくありません。
オーナーと入居者との間では必ず賃貸借契約が結ばれますが、ほとんどの場合その契約の間には「物件の管理会社」、「仲介会社」、「家賃保証会社」など多くの不動産会社が間に入っておりトラブル防止に努めてくれています。
最近では日雇い労働者や外国人労働者、身寄りのないお年寄りなどが日本で増えており、また親しい人に連帯保証人を依頼するのがなかなか難しいという方も大勢います。
そうした中、近年では当たり前のように家賃を滞納したり、遅延する人が増えているのもまた事実なのです。
基本的に家賃滞納や遅延が起こった際には、オーナーが直接入居者に連絡をして督促をするようなことはありません。
仮に自ら督促をしてしまうと、知らずのうちに違法行為を犯してしまうこともあります。
そうした時には督促したいという旨をきちんと管理会社に連絡して、適切に対処してもらいましょう。
管理会社に督促の依頼をした後は、管理会社から入居者に電話や訪問、督促状による家賃の支払いを促します。
それでもなお支払いがない場合には家賃保証会社と連帯保証人に連絡が入ります。
家賃滞納から1ヶ月が過ぎてしまうと、次は内容証明郵便による家賃支払いの督促を行います。
※内容証明郵便とは、誰がいつどんな文章を誰に送ったのかを郵便局が証明してくれるものです。
これを送ることによって、しっかりと督促している履歴が残り、後に法的手段を取った際に必要となりますので、裁判を起こす前にはしっかりと内容証明郵便を送っておきましょう。
最悪のケースでは裁判となりますが、費用も余計にかかってしまいますので裁判の代わりに任意の明け渡し請求というものを行うことが一般的です。
これは滞納分の家賃の支払いは免除する代わりに出て行ってくれというものです。
もしこれだけやっても対応が見られない場合は、法的手段による強制退去という流れになります。
ここまでの一連の対応を、オーナーが単独でするというのはあまりに非現実的ですので不動産管理会社に全て任せてしまうのがストレスもかかりませんしお勧めになります。
「家賃滞納が起こる原因」
家賃滞納が起こる原因は複数ありますが、代表的なものは以下の通りです。
「振込することを忘れている」
「収入に見合っていない物件を選んでしまっている」
「オーナーが1日や2日の支払い遅延を見逃してしまって、入居者の期日内に支払うという意識が薄れてしまっている」
上記のようなものが原因となります。
1つ目は入居者の不注意であり、誰でも忘れてしまうことは多少あるため仕方ないでしょう。
2つ目の収入に見合っていない物件とは、一般的に「年収の25%以下」が家賃の相場と言われているのに対し、少し背伸びした家賃の部屋へ住んでしまっていることが原因です。
収入が激減してしまった時には、負担が重くのしかかってくるため家賃滞納へと繋がってしまうようです。
3つ目は、入居者自身の仕事の関係やプライベートの問題による支払い遅延などはオーナー側で予測することもできませんが、しっかりと期日は守らないといけないという姿勢で入居者と向き合う必要があります。
入居者を教育するような気持ちで毎月の支払期日は絶対に守ってもらいましょう。
「管理会社は賃貸経営の業務を代行してくれる」
管理会社は、オーナーの賃貸経営の業務を代行してくれます。
例えば、入居者の募集や退去の手続き、家賃の集金代行、更新の手続きなど面倒なことは全てやってくれます。
自分で物件を管理しようとすると、あまりにも手間がかかりますので月に数千円程度の管理費を払って全ての業務を代行で依頼してしまう方が賢明です。
入居者募集に関しては、募集物件の図面を作成し、チラシの投函を行ったり、レインズやスーモなどのポータルサイトへの掲載を行います。
また仲介会社への客付け依頼なども行い、できるだけ管理物件の空室期間が短くなるようにいち早く入居者を見つける努力をしてくれます。
入居者が見つかると賃貸借契約を結びますが、その際の入居者の支払い能力や犯罪者ではないかの確認、過去の賃貸契約で支払い遅延がないかなどを考慮して入居者審査を行います。
その結果を踏まえてオーナーに伝え、最終的な入居の審査の判断はオーナーがします。
また、賃貸借契約と重要事項説明を行い火災保険などの手続きも管理会社で行います。
これらをオーナーがするのも非現実的ですので管理会社への委託は必須と考えていいでしょう。
また、大切な業務の一つとしてクレームへの対応があります。
入居者同士のトラブルや、騒音問題、ゴミ出しのルール違反、ペット問題などのクレームや事案がいつ発生するかわかりません。
そういったときにオーナーへ直接クレームが入ってしまうと対処せざるを得ませんが、間に管理会社を入れておくことで全てのクレーム対応を代行してくれるのです。
このように家賃滞納の対応だけでなく管理会社は様々な業務の対応をしてくれますので、管理会社に賃貸経営の業務は代行で依頼した方が良いと考えられます。
「まとめ」
家賃滞納問題や空室問題といったものは、賃貸経営においてどうしても防げないケースがあります。
万が一、そういった問題が起こってしまった際には自分でどうにかしようとするのではなく管理会社に対応してもらうように依頼しましょう。
自分で督促状や内容証明郵便などを作成するのは難しいですし、任意の明け渡し請求も自分でやってしまうと法的にアウトになってしまうこともあります。
空室問題よりも家賃滞納問題は深刻というイメージですが、善良なうっかりただ忘れていたという滞納ケースと、そもそも払う意思がない悪質なものもあります。
滞納があったからといって全て悪質というよりかは、本当にうっかり引き落としできなかったケースも多いので慌てずに管理会社に督促をしてもらうように依頼しましょう。
家賃保証会社や連帯保証人もいますし、そこまで連絡がいくと大抵のパターンでは支払いをしてくれます。
ただ、個人で運営・管理する場合には「1日遅れたくらいだし許してもいいかな」いう姿勢は良くなく、あくまで期日は絶対に守らないといけない認識をしてもらわないといけないので、1日でも遅れたらすぐに督促を送るようにした方が良いでしょう。
そうしないとずるずると入居者の支払い期限への意識も薄れてしまい毎月遅れるようになってしまいやすくなります。
面倒だとは思いますが入居者を教育するような気持ちでしっかり毎月家賃収入が入っているかどうか確認するようにしましょう。