みなさんは最近よく耳にするSDGsについて、どのくらいご存知でしょうか?
そもそもSDGsとは何なのか?また、私達が生業としている不動産との関連性はあるのか?
そうした点も踏まえて解説していきましょう。
「そもそもSDGsってなに?」
SDGsとは「Sustainable Development Goals」を略したもので、その意味は「持続可能な開発目標」であり、193ヵ国から成る国連総会において2015年に採択されました。
ではSDGsとは何のために採択されたのでしょうか?
現在、全世界において貧困や紛争、気候変動、感染症など、人類が今まで経験してこなかったような数多くの課題に直面しており、このまま先も人類が安定して暮らし続けることができなくなるのではと危惧されています。
そうした危機感から、世界中の代表者が話し合いを行い、課題を整理し、解決方法を考え、2030年までに達成すべき目標を立てたのです。
これが「SDGs(持続可能な開発目標)」です。
※小文字のsは2030年までに達成する目標が複数あることを示しています。
そしてSDGsで掲げている目標は全部で17種類あります。
SDGsは、この基準となる17の目標+目標を達成するために必要な169項目のターゲットで構成されています。
基本的には各国が主体となって取り組んでいるSDGsですが、私たち国民一人ひとりが未来のために実践できることも数多く存在していることがわかると思います。
まずは身近なところから取り組めば、結果として大きな変化が起こせるかもしれません。
実際に世界ではごく普通の人が小さな気づきから大きな変化をもたらした事例も数多く報告されています。
そうしたことも踏まえて、次項では私たちにもできるSDGsにおける3つの方法と世界の事例についてご紹介。
「SDGsにおける私たちができる3つの方法」
国民である私たちにもできるSDGsは意外と身近に存在しているものです。
私たちにもできるSDGsの方法は3つあり、「発明」・「工夫」・「キャンペーン」です。
しかし、3つの方法と言われても何をすればいいのかわからない方も多いでしょう。
ここでは、世界の人々が3つの方法を使用して、どのようなSDGsに取り組んでいるのか?その一例をご紹介していますので、みなさんも一緒に身近なとこで何かできることがないか見つけてみてくださいね。
・ 発明
過去、トルコのイスタンブールでは大気汚染が深刻な問題となっていました。
その原因は大量のプラスチックが石油から作られていることにあり、発明家のエリフさんは何かできないかと考えました。
そしてバナナの皮からプラスチックを作ることに成功したのです。
バナナは安いし、リサイクルもできて家のキッチンでも簡単に作ることができ、これによって大気汚染の問題も解決しました。
まさにSDGsとなる発明ですよね。
・ 工夫
次は工夫について、ナイジェリアでは「チーム・チャリス」が大きな問題に取り組みました。
ゴミがきちんと処理されていないことで人々が病気になっている状況を見たチーム・チャリスは、「ディスカーディアス」という携帯アプリを開発し、ゴミを見つけて報告するとエコ・フレンドリーなカートが収集に来てくれる仕組みを実現しました。
これによりゴミ問題を減らしてより良い持続可能な街をつくれるだけでなく、雇用の機会も生み出すことができたのです。
・ キャンペーン
インドネシアのバリに住んでいた姉妹のムラティとイザベルは美しい島を守るためにキャンペーンを始めました。
バリでは大量のレジ袋が海に捨てられることで海と海洋生物に被害が出ていたのです。(インドネシアはプラスチックゴミが多く、世界でみると中国に次いで2位)
姉妹はビーチの清掃活動とレジ袋の使用を禁止する署名活動を行い、その努力が認められバリでは2018年にレジ袋の使用が禁止となったのです。
いかがでしょうか?
今回ご紹介した例においてもSDGsの活動を牽引している人のほとんどが若者です。
バリの姉妹がキャンペーン活動を始めた時は、まだほんの10歳と12歳の時でした。
ほんの小さな気づきから取り組んでいけば、あなたもSDGsを達成できる可能性があるのです。
結果としてSDGsに繋がらずとも、その努力は無駄にはなりません。
みなさんも身近なところで一度探してみてくださいね。
「不動産業からみるSDGsな考え方」
私たちが働いている不動産業にもSDGsに関連する項目は存在します。
全日本不動産協会ではSDGsへの取り組みとして以下の点を挙げています。
・ 地域の安全な不動産取引の推進
・ 空き家問題への取組み
・ 既存住宅の流通活性化
・ 社会貢献への取組み
この上記4つの目標はSDGsの中にある「11.住み続けられるまちづくりを」「17.パートナーシップで目標を達成しよう」に該当しています。
不動産業からみるSDGsな考え方は、法令を遵守した適切な不動産取引を行うこと、空き家をリフォームして別の事業に取り組む他、社会貢献への取り組みがSDGsとなり得るのです。
さらに今後は、大企業だけでなく中・小企業にとっても既存住宅の流通の活性化や社会貢献への取り組みなどを加速させていき、より良いまちづくりに取り組んでいくことになるでしょう。
「まとめ」
SDGsは2015年に開かれた国連総会において採択され、2020年頃から認知度も拡まってきました。
2022年現在ではCMやニュースにも取り上げられるなど、ほとんどの方が聞き馴染みのある言葉になったのではないでしょうか?
しかし、SDGsの内容までしっかりと理解している人は少なく、ましてや自分がなにか行動しようと思う人はごく僅かです。
SDGsは世界各国だけでなく、国民一人ひとりが取り組むべき未来のための目標なのです。
まずは身近な小さな気づきから自分のアイデアを用いて開発や工夫・キャンペーンに取り組んでみてください。
SDGsによって私たちの孫世代、またそれ以降の子供達にも明るい未来を残しましょう。