「ターゲット層を考える必要性」
入居者のターゲットを予め設定しておくことは必要なのでしょうか?
一戸建・マンション・アパートなどの物件を購入し、不動産投資をスタートする際には、「こういう人に住んでもらいたいな」というような、ある程度の入居者のターゲット層を設定しておいた方が賢明と言えます。
このターゲット層を設定するかしないかで、少なからず不動産投資の成功or失敗に影響すると考えられているからです。
ターゲット層の設定が正しくない、または設定しないまま投資をスタートしてしまうことは、結果として入居者を確保できなくなり収益率が低くなってしまうのです。
例えば、ファミリー層が多く住んでいる地域でワンルームタイプのマンションを購入したところで、需要が少なく入居者がつきにくくなるのは、ごく自然なことでしょう。
どんなサービスや商品にもマーケティングや商品開発があるように、ターゲットに選んでもらえる仕組みづくりが必要であり不動産投資を行っていく上においても重要なことなのです。
「ターゲット層の例と特徴」
不動産投資を始めるにあたって考えて頂きたいターゲット層としてよく挙げられるのが、単身者かファミリー世帯かの2つです。
この2つのターゲット層にはそれぞれの特徴がありますので、どちらをターゲットにするかは大事なところです。
まず単身者の特徴としては以下の通りです。
・入居期間が短い
・空室期間が比較的短い(次の入居者が決まりやすい)
・リフォーム費用が安く済む
入居者の特徴としては学生や若い社会人の割合が多く、家にいる時間が少ないことから寝るためだけに帰るという人も少なくありません。
そこで単身者向けにポイントとされるのが、いかに便利な物件かという部分です。
①家から最寄り駅までの距離
②学校や会社、都心へのアクセス
上記の2つは単身者の方が、とても重要視しているポイントになっています。
単身者世帯をターゲット層にするなら、都心の駅近物件を選択するのがいいでしょう。
一方でファミリー世帯の特徴としては以下の通りです。
・入居期間が長い
・空室期間が長くなる可能性がある
・駅郊外でも需要がある
・入居者の質がいい
・原状回復費用が高い
といったことが挙げられます。
さらに子供がいるケースが多いため、子供のおもちゃを置く収納スペースが充実していることや、自転車・車の駐車場を求められることもあります。
そのため収納や家事をするためのスペースを必要とするといったことが特徴となり、子育てをするという観点から物件周辺の治安、学校を選択肢に入れる人も多い傾向にあります。
「単身者とファミリー向け物件」
単身者の場合は広い部屋を必要としない人が多く、広かったとしても1LDKくらいの間取りを希望する人がほとんどです。
広さも30㎡以下で十分と感じる人が多いですし、設備に関してはFree Wifiや宅配ボックスが設置されていることが必須条件だと考える人が増えています。
女性単身者の場合は、防犯の観点からオートロック機能や部屋の階数を気にされる方が多く、水回りやバス・トイレ別、洗面所が独立しているかも重要視しています。
また最寄り駅からマンションまでの距離や、治安の良さもポイントになります。
そのため単身者をターゲットにマンションを所有する場合には、男性目線ではなく女性目線で考えた方が、ターゲットの幅が広がり空室期間もさほど長くならないのでオススメです。
ファミリー向けの場合は収納スペースが十分に確保できるか、家事や育児をストレスなく作りになっているかなどがポイントとなってきます。
また同じマンションに住む住人がどのような層かなどの隣人関係も選択肢の一つになってきます。
そのため単身者向けのワンルームマンションよりも周辺の環境や治安にこだわる必要が出てきます。
ですが駅や繁華街からの距離はある程度離れていても良いとされるのがファミリー向けの物件のポイントです。
そのため物件価格を抑えるために駅から少し離れた物件や、少し都心から離れた場所での購入も可能となってくるでしょう。
「今後、狙うべき層はどっち?」
単身者とファミリー層のどちらをターゲットにするかについて悩むところですが、大きな違いとなるのは決定権です。
単身者の場合は、自分1人が住む家であり、自分が納得する部屋であれば問題なくスムーズに入居となるでしょう。
しかしファミリー層は、そう上手くいかないケースが多く、問題点としては夫と妻の2人の意見を合わす必要があることです。
夫が気に入った物件であっても妻に反対されて入居に至らないケースが多くあり、ファミリー層でいう決定権の多くは妻が握っています。
その他にもファミリー層はキッチンの使いやすさ、間取りの良さ、周辺の治安など、住む家を決める際の条件についても色々と考えるでしょう。
上記のことから、入居が早く決まりやすいのは単身者と言えます。
ファミリーマンションは、一度入居が決まれば長く居住してくれることがメリットとなりますが、入居を決定するまでのスピードやコスト面を考慮すると、単身者をターゲットにした方が投資の観点から見れば効率は高いと言えます。
また、近年の日本を見てみると単身世帯数は増加傾向にあります。
そのため単身用のマンションに住む人口の方が圧倒的に多くなっており、このような日本の情勢を見極めてどちらのマンションを購入するか決めるのも一つの戦略となります。
「まとめ」
ワンルームマンション投資は、必要な初期費用が少ない点が魅力とされており、立地が良ければ長期的にインカムゲイン、将来的にはキャピタルゲインも狙うことが可能です。
ファミリー向けマンション投資には一度入居者がつけば、収支が見込みやすいというメリットがある一方で、空室が発生してしまうと空室期間が長期化しやすいというリスクに注意しなければいけません。
ワンルームマンションもファミリー向けのマンションも、空室期間を短くしたい場合は立地や設備にこだわって物件を選ぶことが重要になります。
もし不動産投資をお考えになられている方は、これらの点にも注意しながら投資先のマンションを慎重に選んでみてください。